果物ファンの皆さんこんにちは!信州東御、代々続く農家の跡取り息子りんごぼーやです。
この記事では実際にふじを栽培している農家であるりんごぼーやが実際に蜜入りふじを見分けるときに使っているテクニック、さらに蜜入りと蜜無しそれぞれの特徴と魅力まで解説します!
そもそも蜜って何なの?って方にはこちらのブログを参考にしてください!▼
まず最初に注意点を。
蜜入りを見分けるテクニックといいましても100パーセント当たるものではないです。
蜜入りは自然現象ですので、天気を100%当てることができないことと同じで、ふじを栽培して長いプロの農家であってもふじの蜜入りを確実に見分けることはできません。
そんな自然の気まぐれによってできる蜜入りふじには神秘的な魅力があります。
それでは不思議な蜜入りふじの見分け方を詳しく解説します!
見分けるうえで重要になってくるので、まず初めに青タンについてのお話です。
青タン?なにそれ?花札?
青タンとは農家用語です。正確には青実果といいます。
そしてこの青実果が結構やっかいなんです。
青実果
青実果の特徴
ぱっと見は普通のふじですが、本来の熟したふじと見比べると違和感に気づくことができます。
とにかくつるつるしています。
写真だと伝わりにくいですが、ボウリングの玉のように滑らかで手触りが良いです。
そして青実果の味の特徴としては
・蜜が入らない
・甘味も酸味も少なく、とてもあっさりしている
・むしろ少し青臭くて美味しくない
などがあります。
要するに、見た目はふじなのに食味は良くないという事です。
青実果の日持ち
ふじ自体日持ちは良いのですが、青実果>蜜無し>蜜入りの順で日持ちが優れています。
冷暗所保存は必須ですが、青実果であれば3月頃まで食べることができます。
リンゴは収穫後もある程度は熟す(追熟)ので、むしろ収穫後より美味しくなっていることもあります。
そんな特徴を持つ青実果ですが基本的に流通はしないので加工に回されてしまいます。
たまにスーパーや市場などで見かけることもありますので、青実果の特徴を知っておくと良いかもしれません。
青実果の原因
青実果の原因については専門的な話になってくるのでここでは軽く説明するだけにしておきます。
(今回の記事では重要ではない上に専門的な内容なので興味のない方は飛ばしてください)
樹勢が強い木、つまり元気が良すぎる木に青実果が発生しやすいことから、
木が元気になりすぎる要因が青実果の発生する原因だといえます。
・肥料のやりすぎ
・せん定が強すぎる
・生育期に雨や日光をもらいすぎる
などです。
個人的には、樹勢が強くなりすぎることで、樹体ばかり丈夫になろうとするから果実の生育がおろそかになり、青実果が発生するのではないかと考えています。
農家流!蜜入りふじと蜜無しふじの見分け方
いくつか判断できる要素がありますが総合的に評価することで蜜入りの確率が高くなると思います。
優先度の高いテクニックから順に説明していきますので、上位二つだけでも覚えておくと蜜入りふじを見分ける際に役に立つのではないかと思います!
もし全部覚えられたら、最後のまとめで具体的なテクニックの使いかたも教えますので是非みてください!
見分け方
地色
着色してない部分の色のことを地色といいます。
つまりはお尻の色です。
写真左が蜜無し、右が蜜入りです▼
緑~黄緑はまだ未熟の色なので蜜入りが無いか、あってもわずかに入るくらいです。
地色が黄色~オレンジが熟したふじの色になります。しっかり蜜が入っていることが多いです!
ここでまたやっかいなのが青実果です。
全く熟していない味の青実果ですが、なぜか玉全体が赤く着色している場合がありますので注意が必要です。(全体が赤いので地色が見れない
僕はこれを「噓つきリンゴ」って呼んでいるよ!
本当に名前の通りで、美味しそうな見た目なのにぜんぜん美味しくないんだ。
お尻を見て緑なら蜜無し。オレンジなら蜜入り。
このように地色で蜜入りを見分けるのが一番重要で当たりやすい方法です!
ツヤ(ワックス)
リンゴ狩りで収穫するときなど、パッと見で蜜入りを判断する必要がある場合は色ではなく、ツヤで見た方が確実です。
蜜入りはワックスによるテカテカしたツヤがあるのが特徴です▼
このワックスとは、ふじの表面に出てくる自然由来の油成分で天然のものです。
ふじが収穫期を迎えるころ、この天然のワックスを生成して水分の蒸発を防ぐことで鮮度を保っているのです。
手触り
ふじを持った際の感触による見分け方です。
綺麗な肌の方がいいと思いきや肌がガサガサしている方が蜜入りで美味しい可能性が高いです。
ちょっとわかりにくいですが、
左が蜜無し、右が蜜入りです。蜜入りの方が肌が荒れています。▼
ツルっとしてて綺麗な果実より、
ガサガサしていて、俺は今までこの厳しい自然を生き抜いてきたんだぞ!!というワイルドな風格の果実の方が美味しいのです。
重さ
たくさんの果実をより分ける際、蜜がたくさん入った果実はそうでない果実と比べてズシっと重みを感じます。
蜜の重みによるものだと考えられます。
雰囲気
いわゆる”勘”に近いです。
ふじを持って間近で見た際の雰囲気といいますか、言葉ではうまく説明することのできない何か…
正直言ってこれも判断基準の一つにあります!
毎年何百何千玉のリンゴを観察している農家だからこそ、
言葉では言い表せない蜜入りの雰囲気を感じるんだ。
それぞれの特徴
蜜入りふじと蜜無しふじ、それぞれの特徴を説明します。
蜜無しふじは価値が劣ると思われますが、りんごぼーやは蜜無しにもメリットがあると思っています。
蜜入りふじの特徴
ふじの中でも糖度が高い果実に蜜が入りやすいので、蜜入りふじはとても美味しいです!
味が濃厚なのでそのまま生で食べるのが一番です!
あまりの濃厚さに一個食べるだけでおなかいっぱいになるかも!?
蜜無しふじの特徴
青実果は別ですが、
蜜無しふじだからといって極端に糖度が低いわけではありません。
そもそもふじ自体大変食味の良い品種なので、蜜がないからといって不味いわけはないのです。
蜜無しのよりはあっさりとしていますが、まだ酸味が少なく甘味が目立つので、これはこれで美味しいのでは?と思うことさえあります。
さらに日持ち性が蜜入りよりも良いので、長期間楽しめるのも蜜無しのメリットの一つです。
確実に当たる見分け方!
確実に当たる見分け方があるの!?
って思った方、ごめんなさい。
蜜入りは自然の贈り物。人間が確実に見分けることはできないと思います。
答えは蜜入りセンサーです。
なんだよ!機械かよ!
いくら果物が好きとはいえ、わざわざリンゴ蜜入りを確かめるために高額な蜜入りセンサーを購入する方はいないと思います。
ですがさすが高性能な蜜入りセンサー。
あまりに少量の蜜入りの測定は難しいですが、ほぼ確実に蜜が入っているかどうかの判断ができます。
それぞれの蜜入り比較画像
それでは実際にどのくらい蜜入りが違うのか見てみましょう!
真ん中で上下に分かれるように切ったふじの断面図です▼
蜜無しにもわずかに蜜がありましたが、その差は圧倒的です!
食べる順番のオススメ
蜜入りふじの見分け方を理解したらちょっと応用して、美味しくふじを食べるコツをお話しします!
贈答でふじをたくさん贈られてきた!
嬉しいけれど、美味しいうちにこんなに食べられるかな💦
今回の記事を読めば大丈夫!もっとふじを楽しめるよ。
贈答でたくさんふじを贈ってもらって嬉しいけれど、こんなに食べきれるかな?
というときにはぜひ蜜入りふじから先に食べてください。
蜜は長期間保存しておくと無くなる性質があります。
なので蜜入りふじを楽しめるのは送られてきたばかりの新鮮なうちだけ。
新鮮な時にしか味わえない特別な味を最初に楽しんでください!
そして蜜無しはまだ食べずに後に取っておきます。
日持ちが良いので後に回しても大丈夫ですし、むしろ追熟してよりおいしくなる可能性もあります。
蜜入りふじの見分け方 まとめ
それではさいごに蜜入りふじの見分け方を実際に使ってみましょう!
ふじが箱でたくさん届いた
スーパーで美味しいふじを選びたい など
ふじがたくさんある状況で、どれが蜜入りか見分ける際にやってみてください▼
- まず全体をパッと見る
- テカテカしてワックスっぽいふじを選ぶ
- 選んだふじを実際に手で持って観察
- まずはお尻を確認!お尻がオレンジ色のふじを選ぶ
- その中で肌がガサガサしていて、ほかより重く感じるふじが蜜入りふじです!
コロちゃん、さっそく試してみて!!
やった!蜜入りふじだったよ!
これをマスターすればあなたも農家並みに蜜入りの判別ができるかも!?
りんごぼーやでした!
僕もふじを育てているよ!
糖度20度越え。とってもあまーい自慢のふじなんだ▼
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